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にんじんが子どもの好きな野菜上位に

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前週同様東洋経済ONLINEに掲載された記事に続きがあります。なんとニンジンが子どもの好きな野菜の上位になったというものです。ここにも生産者の涙ぐましい努力が見られます。ちょっと覗いてみましょう!◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

糖度とお子さまのお口

「昔はニンジンが、子供の嫌いな野菜ナンバー1でしたが、今や好きな野菜の上位に入ってきていると聞いたことがあります。やはり子供が嫌いだったピーマンも、クセがない『ピー太郎』などが登場しています。最近は一般化しましたが、パプリカになると、糖度が10近くもあります。ニンジンとピーマンの変化の共通点は、クセのある味が取り除かれて甘さが増えたことです」と前出の中野特任教授は解説しています。

 

一方前出の宮地社長は、糖度が高い野菜・果物が求められる背景について、「糖度計で測れるようになったのは20年くらい前で、最初はミカン産地が導入しました。その後、桃、梨、柿、メロン、スイカと対象が広がって、やがて糖度を測ること自体がスタンダードになった」ことに加え、流通業者がプロの八百屋からパートが品出しするスーパーに変わったことも大きいと分析しています。スーパーでは、対面での商品の魅力を説明することがないため、糖度という分かりやすい指標で商品訴求をしているのではないかと考えれれています。

 

しかし、誰もがいつも高糖度の野菜を求めているわけではありません。宮地社長は「大玉の糖度3~4の一般的なトマトは、火入れする料理に向いています。ジュースは6ぐらいが丁度いい。ハピトマは、生で食べるのに向いています」と説明しています。流通業者では、大手スーパーが糖度6~7、高級スーパーは7~9、百貨店では差別化するために10、13のトマトを求める傾向があるそうです。

 

ラーメンなどが顕著なように、日本では近年、濃厚な味がもてはやされる傾向があります。ドリンク類でも「濃い目カルピス」など、味の濃厚さを売りにする商品が目立ちます。

 

これ以上糖度は上がる事はない?

ところが、中野特任教授は「10年ほど前、量販店で一般の消費者の方を対象にして、『水っぽく味の薄いオランダのキュウリ』と『味のしっかりした日本のキュウリ』の食べ比べを実施したとき、高齢の方は日本のキュウリを美味しいと回答しましたが、若い人は水っぽいキュウリを美味しい糸評価したことを記憶しています。世代や時代によって、求めるものが違うのかもしれません」と教えてくれたそう。

 

2018年から弁当や総菜に含まれる塩を平均で20%減らす「こっそり減塩」に取り組むなど、食品業界で減塩の取り組みも始まっています。コロナ禍で、家で食べる機会が増えて薄味の魅力を再発券した人もいます。まずは塩味から、薄めのトレンドがじわじわと広がっているのかもしれません。

 

中野特任教授も「糖度の面ではある程度、行きついた感があるのかもしれません。イチゴもこれ以上甘くするという感じではないですし、メロンでも糖度をさらに上乗せする議論はあまり聞きません。トマトでは、酸味も併せ持つ、機能性や食感、さらにはエシカル消費(※1)など別の付加価値を加えていく方向性になるのではないかと思っています」と話しています。

 

味が濃いもの、甘いものは、美味しいと感じやすい一方で、飽きやすい場合もあります。糖度の追及はひたすら豊かさを求めてきたことと似ていて、ある程度充足すれば、むしろ味のバランスの良さや薄味を求める傾向が強くなるのかもしれません。今後は、甘さだけではない食べ物の美味しさを感じ取る人が増えていくのではないでしょうか。と締めくくっています。

 

※1 地域の活性化や雇用なども含む、人や社会・環境に配慮した消費行動の事

 

参考:東洋経済ONLINE   著者/阿古真理:作家・生活史研究家

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