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日本の野菜がこんなにも甘くなった!

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東洋経済ONLINEに興味深い記事がありましたのでご紹介したいと思います。トマトもじゃがいもも高糖度になっていないかというものです。テレビ番組でも人気タレントが、野菜をかぶりついたとたん、「あまーい!これ果物じゃないですか?」と感激する場面をよく見かけます。スーパーの売り場で、農産物直売所でもいまや糖度表示をしているところがあります。ニンジンやトマトのポップに糖度の高さをアピールする文章がついているのも見かけます。なぜ、糖度の高い野菜がふえてきたのでしょうか?◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

人気沸騰の「高糖度トマト」

浜松市の農業ベンチャー、ハッピークオリティが開発した中玉トマト「ハピトマ」は平均糖度8の甘さ。スーパーの並ぶ一般的なトマトは、4~6程度にあって8というのはかなり高い。

ハピトマの糖度が高い理由は、品種と栽培方法にあるそうです。まず、フルティカという糖度の高いタキイ種苗の一般的な品種を選び、誰でも栽培できるように年4回回転できるマニュアルを作成。畑の条件を揃えるためにハウスでの水耕栽培とし、AI技術で制御する。

同社の宮地社長は、「6センチ角のロックウールに納めた小さな根っこに、水と栄養の吸収を集中させることでストレスをかけ、糖度を上げる。株ごとに根っこが隔離されるので、1本が病気になってもそれだけ抜けば、ほかの株への影響は少なくて済みます」と説明する。さらに、光センサー選果機で糖度や形、大きさなどを測ったうえで収穫するなど、ハイテクを駆使し品質を安定させているそうです。

 

 

市場を席巻したトマト「桃太郎」

野菜ソムリエ上級プロの資格を持つ中野明正・千葉大学園芸学部特任教授もトマトの糖度が上がってきている要因は、品種と栽培方法が変わったことだと話しています。

 

品種については、「1985年にタキイ種苗が桃太郎の育成を完成させたことが転機」だとおっしゃっています。「それまでよく作られていた強力米寿2号という品種は、糖度4.6程度だが、桃太郎は5.5あり、完熟させると5.8になる」

 

桃太郎は登場するとすぐ市場を席巻し、1988年頃にはトマトの主要品種となりました。「それまでのトマトより糖度が高く果実が固いので、完熟させてから流通できたことが普及の要因と言われています」(中野特任教授)

 

一方、栽培の方法は水をやる量を制御する、塩類を高濃度に含む養液を与えるなどが一般的。こう押した農法は、1980年代後半にメディアに取り上げられるようになったとのこと。

 

「水を絞ると機能性成分の割合も一緒に上がる。トマトは2000年代の健康ブームで、抗酸化物質のリコピンなどの機能性成分が注目されました。美味しさと健康の両面から、高糖度化に拍車がかかったと推定されます」(中野特任教授)

 

ハッピークオリティのハピトマは、リコピンに加え、ストレスを和らげ血圧を下げると言われるギャバも豊富としています。

 

一方で、生産量と糖度は二律背反の関係にあるともいわれます。

 

「日本のトマトは10アール当たり10トンしか獲れませんが、オランダはその5~6倍獲れるんです。しかし糖度は4ぐらいで、日本人からすればまずい。このような性質は、栽培法だけでなく、品質にも大きく依存しますが、トマトが光合成をする際、受けた光でできた炭水化物を甘くする方向に回すのか、生産量に回すかが違うわけです」(中野特任教授)

 

中野特任教授によると、日本は農地が狭いことから、生産者が効率的に経営しようと甘いトマトを選んでいる面もある。「昔に比べ美味しくなっていることから、消費者は納得し、それなりにお金を払ってでもトマトを買うのだと思います」と中野特任教授。

 

生産者がより高く売れるトマトを求めて、糖度を上げてきた側面も事実としてあるのだと述べています。

 

 

どうでしょう?生産者の並々ならぬ努力の結晶が糖度の高い野菜を作り上げているんです。

でも私は、家庭菜園で出来たちょっと酸味のあるトマトをキンキンに冷やして、マヨネーズをかけて「ガブリ!」が好きなんですよね。ヘタ付近の青っぽい独特の味やニオイも美味しいと感じます。いずれにせよ自然の恵みは美味しくいただきたいですね♪

 

参考:東洋経済ONLINE   著者/阿古真理:作家・生活史研究家

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